「大企業に入社すれば、この先ずっと安泰で幸せな社会人生活が送れる」
いわゆる「日系大企業」へと入社すると、今でもそう思っている方が多いと思います。
しかし、入社3年目。私は日系大企業の構造的な歪みと、過酷な労働環境の直撃を受け、心身ともに限界の一歩手前まで追い詰められることになります。
そんな暗闇のどん底にいた私を救ってくれたのは、社内のある「キャリアコンサルタント」との偶然の出会いでした。本記事では、私が大企業の荒波の中でどのように苦しみ、そしてなぜキャリアコンサルタントという道を選んで資格を取得するに至ったのか、そのリアルな実体験をすべてお話しします。
■ プロローグ:入社3年目、日系大企業の洗礼と「炎上案件」
入社して最初の2年間は、仕事を覚えるのに必死ながらも、充実した日々を送っていました。大企業ならではのスケールの大きな仕事に携わっているという自負もありました。
異変が起きたのは、入社3年目を迎えた春の人事異動のタイミングでした。
私の所属していた部署の先輩や同僚たちが、次々と別の部署へと異動していったのです。気がつけば、その業務のノウハウを深く知る人間は、若手である私だけという歪な状況が作り出されていました。
そこに追い打ちをかけるように、社内でも悪名高い「炎上案件」が私のチームに舞い込んできたのです。
周りを見渡せば「働かないおじさん」と「ボロボロのビル」
大企業と聞くと、最新の綺麗なオフィスビルで、スマートに働く人々を想像するかもしれません。しかし、私が配属されていたのは、お世辞にも綺麗とは言えない築数十年のボロボロのオフィスビルでした。
さらに絶望的だったのは、職場環境です。 炎上するプロジェクトの最前線で、若手の私が必死に火消しに奔走している横で、いわゆる「日系企業あるある」の、全く仕事をしない・責任を取らないおじさんたちが何人も座いすにふんぞり返っていました。彼らはパソコンの画面を眺めているだけで、定時になればそそくさと帰宅していきます。
「なぜ、必死に働いている自分ばかりがこんな目に遭うのだろうか」
誰にも助けを求められない孤独感と、理不尽な環境への不満が、少しずつ、しかし確実に私の心を侵食していきました。
■ 暗闇の時期:毎日が早朝から終電まで。「朝が来るのも、夜がくるのも怖い」
炎上案件の火の粉を浴び続け、残された人員だけで業務を回すため、私の労働時間は異常な領域へと突入していきました。
毎日、まだ外が暗い早朝に出勤し、ひたすら目の前のトラブル対応に追われ、気づけば時計の針は深夜。毎日終電で帰るという生活が何週間も、何ヶ月も続いたのです。
体力が限界を迎えるのは時間の問題でしたが、本当に恐ろしかったのは「心の崩壊」でした。
朝が来るのも怖い、夜がくるのも怖い
肉体は疲弊しきっているのに、家に帰っても仕事のプレッシャーや不安が頭から離れません。「明日、またトラブルが起きたらどうしよう」「あの案件、どうやって切り抜ければいいんだ」と、布団に入っても悪い方へ、悪い方へとネガティブな思考が無限に巡っていくのです。
当時の私は、朝が来るのも怖いし、夜がくるのも怖いという、24時間どこにも逃げ場のない恐怖に挟まれていました。
夜になれば「数時間後にはまたあの地獄の1日が始まってしまう」と夜がくることに怯え、朝になれば「またあのボロボロのビルに行かなければならない」と絶望する。心が休まる瞬間など、1秒もありませんでした。
ある日、疲れ果ててお風呂に入ったときのことでした。 シャワーを浴びながらぼーっと考え事をしていて、ふと我に返ると、浴室の時計が進んでいました。お風呂の中で、何もせずにただ呆然と1時間も立ち尽くしていたのです。自分の時間感覚が完全に麻痺していることに気づき、身体が小刻みに震えたのを今でも鮮明に覚えています。
寝不足のまま早朝に出勤し、パフォーマンスが落ちてまたミスが起きる。当時の私は、自分が「病みかけている」という自覚すら持てないほど、深刻な心理的視野狭窄に陥っていました。
■ 転機:社内のキャリコンという「心理的リスク」の先で見つけた光
そんな限界寸前だった私の人生を変える、決定的な転機が訪れます。 本当に偶然の機会だったのですが、社内で「キャリアコンサルタント」の資格を持って活動されている方に、自分の今の状況を相談する機会を得たのです。
最初は、ものすごく躊躇しました。 相手は「社内の人間」です。「もしここで自分の弱音を吐いたら、上層部にチクられて今後の評価に響くのではないか」「人事に筒抜けになって、キャリアが終わってしまうのではないか」という、大企業ならではの強烈な不安と心理的リスクが頭をよぎりました。
しかし、当時の私はもう、そのプライドや警戒心すら維持できないほどにボロボロでした。「もうどうなってもいい、誰かに助けてほしい」という一心で、私は社内のキャリコンの扉を叩いたのです。
「あなたが悪いわけではない」という、社内だからこそ響いた言葉
そのコンサルタントの方は、私の支離滅裂でネガティブな話を、一切の偏見を持たずに、ただじっくりと聴いてくれました。毎日早朝から終電まで働いていること、働かないおじさんたちへの苛立ち、朝も夜も怖いこと。すべてを吐き出しました。
私の会社の内部事情も、その構造的な歪みもすべて分かっている「社内の人」だったからこそ、その言葉には凄まじい説得力がありました。
「本当によく頑張って耐えてこられましたね。その環境で不安になるのも、眠れなくなるのも、あなたが弱いからでも、仕事ができないからでもありません。組織の構造と人員の配置が、あなたに過度な負担を強いている状態なんです。あなたは何も悪くありません」
この一言をかけられた瞬間、張り詰めていた心の糸がぷつんと切れ、涙が出そうになりました。 私はそれまで、「大企業の社員なんだから、自分が頑張ってこの炎上を止めなければ」と、すべての責任を自分一人で抱え込んでいた(自責化しすぎていた)ことに気づかされたのです。
社内のキャリコンというリスクを伴う選択の先に、私を1人の人間として全力で守り、伴走してくれるプロがいた。この対話を通じて、私は自分の置かれている状況を客観的に切り離すことができるようになり、徐々に心身の調子を取り戻して、復調していくことができました。
■ 決意:今度は自分が、バトンを繋いで誰かを救う存在になりたい
この経験が、私の中に強烈な北極星(ブレない軸)を作ることになります。
「もしあの時、あのキャリアコンサルタントの方に相談できていなかったら、自分の心と体は完全に壊れてしまっていただろう」
そう思ったとき、日系大企業の複雑な組織構造の中で、当時の私と同じように、誰にも言えずに一人で抱え込み、朝が来るのをおびえながら眠れない夜を過ごしている人が、日本中に、そしてこの会社の中に五万といるのではないかという思いに至りました。
大企業の看板や、一見華やかに見えるキャリアの裏側で、本当に苦しんでいるビジネスパーソンはたくさんいます。
「あの時、リスクを超えた先で自分が救ってもらったように、今度は自分が誰かを救う存在になりたい」 「自分が乗り越えたこの過酷な経験を、同じように暗闇にいる人たちのために還元していきたい」
その強い想いが原動力となり、私は猛勉強を開始し、国家資格である「キャリアコンサルタント」を取得しました。あの炎上案件での苦しみも、お風呂での1時間も、「朝も夜も怖い」と怯えたあの瞬間のすべての痛みが、今の私の「相談者に寄り添うカウンセラーとしての最大の強み(エビデンス)」へと昇華されたのです。
■ 最後に:今、職場で暗闇の中にいるあなたへ
もし今、あなたが当時の私と同じように、「毎日仕事が辛い」「人間関係や理不尽な環境に耐えられない」「夜不安で眠れない」と悩んでいるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
社内の人に相談するのが怖ければ、社外のプロでも構いません。まずはその胸の内を吐き出してください。 あなたが感じている恐怖は、あなたが弱いからではありません。ただ、一時的に「整理がつかない状況にある」だけなのです。
あなたの人生と心身の健康以上に大切な仕事など、この世に一つも存在しません。
私のこのブログでは、私が資格取得の過程で学んだ専門的な理論や法律の知識、そして何よりも私自身のリアルなサバイバル経験をもとに、受験生への対策だけでなく、働くすべての人のお守りになるような情報を発信していきます。
