Creepy Nutsの「get higher」は、2024年リリースのアルバム『アンサンブル・プレイ』に収録された一曲であり、
過去の自分と現在の自分、そして理想と現実の“接続点”を描いた、自己回顧型アンセムとも言える作品です。
音楽に出会ったあの日から、現在のステージに至るまで。
この曲は、一人の人間の成長と矛盾を、圧倒的な臨場感で描き出しています。
🎯 20年前に描いた理想を超えて
20年前頭に描いた
理想の自分よりもデッカいな
曲の冒頭は、自己認識のアップデート。
10代の頃に夢見た自分像すらも、現実の自分が超えてしまったという、感慨のこもった一節です。
しかしそれと同時に、過去と現在のギャップに戸惑うような感情も読み取れます。
🛠 “夢”は更新されていくもの
将来の夢は医者とかほざいた
本当にやりたかったのは特殊メイクアップ
このラインは、曖昧な自己認識から始まった人生を象徴しています。
当初抱いた夢は形式的なもので、本当に求めていたものは別にあった。
それを見つけたのが「音楽」だったのです。
歪なまんま 剥き出しのままカマせって
声がして
“ありのままでいい”という音楽との出会いは、
当時の自分にとって救いと解放だったことが強調されています。
💬 言葉が人生を変えた
言葉のメスが切り開いた景色
脳天にダンクされたフローが medicine
この比喩的表現は、リリックの力が精神的な癒しになったことを示しています。
音楽が医療のように作用した──そんなラッパーとしての原体験が、リアルな言葉で語られます。
また、現実の過酷さ(貧乏、家庭環境)と、それでも諦めなかった「言葉への情熱」も深く描写されています。
🏆 成功の代償と、現在の“幸せ”
有名になってった 人権失ってった
口座は満って 心湯いた
成功と引き換えに何かを失ってきたという実感も、率直に描かれています。
お金・名声を得ても、心が軽くなるわけではない──そんな等身大の苦悩も正直に語られています。
彼女の苗字が俺と同じになった
ガキのまま親父になった
そして終盤には、家族ができたこと、人生のフェーズが変わったことへの静かな幸福感が描かれます。
🕊 “一人じゃない”という救い
一人じゃ何一つ出来ないや
でも数万人と get higher
最終的にたどり着くのは、仲間やファンとの一体感。
一人では無力でも、音楽を通じて数万人とつながることができる──そんな肯定感と感謝が込められたラストです。
📝 まとめ|“get higher”は人生のライブそのもの
Creepy Nuts「get higher」は、
迷いながらも進み続けた人生を振り返り、
支えてくれた人たちへの感謝と共に歌い上げるアンセムです。
- 理想を超えてしまった現在
- 苦しみも幸福も背負ってきた等身大の姿
- 一人ではなく“数万人”と共に高みへ
過去の自分へ、そして同じように迷う誰かへ。
この曲は、“人生そのものがステージ”であることを力強く伝えてくれます。
🔖 引用
本記事はCreepy Nuts「エマニエル」の歌詞(Sony Music Labels, 2024年)をもとに構成した非公式の解釈記事です。
歌詞・音源の著作権はアーティストおよび関係各社に帰属します。
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