キャリアコンサルタント実技(論述)試験では、相談者の年代に応じた発達課題を踏まえた見立てが重要です。
年代特性を理解しておくことで、設問2(背景分析)・設問3(見立て)・設問4(支援方針)が一貫します。
本記事では、年代別によくある悩みを3つずつ挙げ、それぞれについて「背景」「見立て」「根拠」「支援方法」を整理します。
■ 学生(就職活動期)
① やりたいことが分からない
背景:職業経験不足、自己理解の未成熟。
見立て:探索段階における自己概念形成途上。
根拠:職業選択に必要な価値観や興味の言語化が不十分。
支援方法:過去経験の棚卸しを通じて興味・強みの整理を支援する。
② 内定が出ず焦りを感じている
背景:他者比較による自己効力感低下。
見立て:自己効力感の揺らぎによる意思決定不安。
根拠:自己評価の低下と結果への過度な一般化。
支援方法:成功体験の再確認と小さな達成の積み重ねを支援。
③ 親の期待との葛藤
背景:自律と依存の葛藤。
見立て:自己概念確立と他者期待の対立。
根拠:進路決定における主体性の揺らぎ。
支援方法:価値観の明確化と意思決定プロセスの整理支援。
■ 20代
① 仕事が合っていないと感じる
背景:理想と現実のギャップ。
見立て:職業適応初期段階での役割葛藤。
根拠:期待していた仕事内容との不一致。
支援方法:業務経験の意味づけ再構築。
② 転職すべきか迷っている
背景:情報不足と将来不安。
見立て:意思決定未成熟状態。
根拠:選択基準が明確化されていない。
支援方法:選択肢の整理と判断基準の言語化支援。
③ 成長実感がない
背景:自己効力感低下。
見立て:達成経験の認知不足。
根拠:成果を他責化・過小評価している可能性。
支援方法:具体的成果の振り返り支援。
■ 30代
① このままで良いか不安
背景:キャリアアンカーの顕在化。
見立て:価値観と役割期待のズレ。
根拠:昇進・専門性選択で迷い。
支援方法:長期的キャリアビジョン整理。
② 管理職になるか迷う
背景:責任増加への不安。
見立て:自己効力感と役割期待の葛藤。
支援方法:役割イメージの具体化支援。
③ ワークライフバランスの葛藤
背景:家庭役割増加。
見立て:役割統合課題。
支援方法:優先順位整理支援。
■ 40代
① 昇進できない焦り
見立て:維持段階における停滞感。
支援方法:役割再定義支援。
② 若手との差に不安
見立て:自己効力感再評価課題。
支援方法:強み再発見支援。
③ モチベーション低下
見立て:意味再構築課題。
支援方法:価値再確認支援。
■ 50代
① 役職定年不安
見立て:役割喪失不安。
支援方法:経験棚卸し。
② 定年後の不安
見立て:ライフ再設計課題。
支援方法:長期設計整理。
③ 経済的不安
見立て:安全欲求の高まり。
支援方法:現実的選択肢整理。
■ 60代
① 再雇用のやりがい低下
見立て:社会的役割再構築課題。
② 孤立感
見立て:社会的アイデンティティ変容。
③ 健康不安
見立て:身体的制約への適応課題。
まとめ
年代ごとの発達課題を理解しておくことで、論述試験における見立ての質が安定します。
重要なのは「どの年代でも使える一般論」ではなく、「事例と年代特性を結びつけること」です。
構造的理解が、論述の得点を引き上げます。
