キャリアコンサルタント実技(論述)試験において、最初の設問である「問題点の整理」は、答案全体の土台になります。
ここでズレると、設問2以降すべてが崩れます。
しかし多くの受験者が、「事例の要約」と「問題点の整理」を混同しています。
本記事では、設問1の本質、正しい書き方、減点されるパターンを徹底解説します。
設問1で問われている本質
設問1は単なる要約問題ではありません。
問われているのは、
- 相談者の主訴を正確に把握できているか
- 背景を踏まえた課題認識ができているか
- 重要情報を取捨選択できているか
つまり「読み取り力」です。
まず理解すべき:問題点とは何か
問題点とは、相談者が困っている“状態”です。
ただし、それは表面的な発言そのものではありません。
例:
「転職するか迷っている」
これは現象です。
問題点は、その背後にある
- 自己効力感の低下
- 将来像の不明確さ
- 現職への不満の整理不足
などの“構造”です。
設問1の基本構造(型)
安定した答案を書くための型は次の通りです。
① 事実の整理
事例に書いてある事実のみを抽出する。
② 感情の整理
相談者の不安・葛藤・迷いを明示する。
③ 課題の明確化
何が整理できていない状態なのかを示す。
やってはいけない記述(重要)
論述で最も危険なのは、
「どんな事例にも当てはまる記述」です。
例えば、
- 自己理解が不足している
- 情報収集が足りていない
- 将来が不安である
これらは、ほぼすべての相談事例に当てはまります。
このような抽象的・汎用的表現は減点対象になりやすいです。
なぜなら、事例を正確に読んでいなくても書けるからです。
減点されやすいパターン
① 事例のコピペ要約
事例文を言い換えただけでは「整理」になりません。
② 推測の入れすぎ
書かれていない背景を断定するのは危険です。
③ アドバイスを書いてしまう
設問1は分析であり、支援ではありません。
具体例(良い例と悪い例)
悪い例
「相談者は将来に不安を感じている。」
→ ほぼ全事例に当てはまる。
良い例
「現職での評価に対する自信の低下と、転職後の適応可能性への不安が混在している状態にある。」
→ 事例に即している。
設問2以降とのつながりを意識する
設問1で整理した問題点が、その後の分析や支援方針の土台になります。
ここで構造を作っておくと、後半が書きやすくなります。
時間配分の目安
設問1に時間をかけすぎないこと。
全体の20〜25%程度が目安です。
まとめ
設問1は「事例を正確に読み取れるか」を測る問題です。
抽象論ではなく、事例固有の内容を書くことが合格への鍵です。
どんな事例にも当てはまる表現は避け、具体性を持たせましょう。
