Creepy Nutsの「ちゅだい」は、
表面的には軽快でリズミカルなパーティーチューンのようでいて、
実は非常に多層的なテーマを持つ楽曲です。
タイトルの「ちゅだい」は、“チューニング”と“主題”、“ちゅー(キス)”や“ちゅうだい(中台)”など、
多義的な言葉遊びが込められたワードであり、
現代の性欲・本能・情報過多な社会のカオスを巧みに表現しています。
🎧 「ちゅでいちゅでいちゅーでい」=“合ってしまう”感覚
ちゅでいちゅでいちゅーでい / 勝手に合ってまうチューニング
この印象的なサビは、「気づけば同調している」「無意識に染まっている」
という感覚をユーモラスに表しています。
都市生活、SNS、夜の欲望…。
“無自覚に”流されていく自分と、そこから抜け出せない滑稽さを感じさせます。
💻 性と快楽のリアル描写
FANZAプレミアム会員 / P-hub善治カミン
ここで取り上げられているのは、現代人が簡単にアクセスできる性の世界。
誰もがタブー視しながらも、心のどこかで“共犯者”であることに気づいている。
だからこそCreepy Nutsはあえて言葉に出して笑い飛ばす。
それは自己肯定でも自嘲でもなく、「事実」をユーモアで包む知性なのです。
🎥 都市と夜、快楽と虚無の交差点
深夜のムービー 新宿バルトの9 / その前に二郎に並んで待機
三角座りで泣いてるべっぴん / 視界の端にキャッチ
新宿という街のリアル、二郎ラーメンの文化、映画館、そして“夜の住人”たち。
描かれる情景は日常と非日常の間で揺れています。
娘を泣かした場合 / リーアム・ニーソンに速攻で変身
映画『96時間』の引用からもわかるように、
ポップカルチャーと現実を行き来する視点がこの曲の魅力です。
👠 欲望と装備、“アニマル”に戻るとき
人のちゅだいを笑うなっちゅうに アニマルに戻る俺らの装備
ここで言う「ちゅだい」は、欲望の主題=人間の本能的な側面を指しているように感じられます。
夜になれば装備を変えて、獣のように本能で動く。
それは滑稽でもあり、誰もが持っている普遍性でもあります。
全欲望マシマシ
“マシマシ”はラーメン二郎の用語。
ここでは、欲望を隠さず、むしろ増幅して生きることの肯定に聞こえます。
📝 まとめ|“ちゅだい”は、あなたの中にもある
Creepy Nutsの「ちゅだい」は、
卑猥なようでいて哲学的。
バカっぽく見えて、社会の本質を突く。
それは“ちゅーでい”なテンションで生きること。
欲望もダサさも引き受けて、笑いながら突き抜けること。
この楽曲は、そんな**“ちゅだい=本音の主題”**をラップで描き切った、
現代人のためのカオス・アンセムです。
📝 引用
※本記事はCreepy Nuts『ちゅだい』(Sony Music Labels, 2024年)の歌詞を参考に構成された解説記事です。
歌詞・音源の著作権はアーティストおよび関係各社に帰属します。
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