🎧 発売日: 2024年
🎤 ジャンル: ヒップホップ/セルフドキュメンタリー
💿 レーベル: Sony Music Labels
Creepy Nuts「中学22年生」は、“永遠に中学ノリのまま大人になった自分たち”をテーマにした、セルフポートレートのような楽曲です。
前作「中学12年生」から10年。 音楽シーンは大きく変わり、彼ら自身も世界規模のアーティストになりました。
しかし、根本は変わらない。 売れても偉くなっても、14歳のときに芽生えた衝動のまま進み続ける。
そんな“変わらないことの強さ”を描いたこの曲は、 Creepy Nutsのキャリアでも特別な意味を持ちます。
本記事では、歌詞の一つ一つを深掘りしながら、 彼らがなぜ「中学22年生」でいられるのかを読み解きます。
🎙️ 1. 「No Cap」で始まるハッタリと真実のセルフブランディング
No Cap 髪振り乱して
ノーマークから大本命
「No Cap=嘘じゃない、本当だ」という若者言葉を用いながら、 “ノーマークから大本命へ”という彼らのサクセスストーリーを冒頭で提示。
そして次のラインで、いきなり下ネタと自嘲が入ります。
No Fap とか未だに無理やけど
女には困って無い all day
禁欲(No Fap)はできないけど、女性には困らない── リアルとハッタリの絶妙な混合が早速炸裂します。
しかし、これらは品のない誇示ではなく、 “モテる/モテない自分の両方を笑える成熟”です。
Creepy Nutsの歌詞の特徴は、この「脱力と威厳」が共存している点にあります。
HIPHOPの女神に嫌われても
俺、RAPの女神に愛されてる
HIPHOPの“ハードコアな型”に嫌われても、 「ラップそのもの」には選ばれている。
これは R-指定の圧倒的な技術力と、 “売れ線とは関係ないところで勝ってきた歴史”の誇りそのもの。
この1ブロックだけで、彼らのキャリア哲学が詰まっている。
📚 2. 音楽成績1 → Billboard 1位:学校を飛び出した者の逆転人生
音楽の成績1やけど
ビルボードで1位を獲る人生
この対比は強烈です。
学校の評価と、自分の才能はまったく関係ない。
むしろ「音楽1」という最低評価が、 「枠にはまらない自分」の証明になっています。
さらに、現実的な苦労も隠しません。
奨学金は借金で
住宅ローンは35年(実家!)
日本の“普通の生活者”としてのリアルも抱えながら、 世界的ヒットを飛ばしていく。
この温度差こそ、Creepy Nutsの魅力。
そして次のラインは、現実と成功の最強の対比。
一括で pay してやったぜ
中学22年生
ローンだらけの現実、 でも最後に笑うのは自分。
この「現実 × 成功」を同じテンションで語ることができるアーティストは、 日本では彼らしかいません。
🔁 3. “14歳の衝動”を原点に世界へ——中学22年生の核心
14歳のハローワーク yeah
10年後に食え出して(ダンジョン)
20年後に世界中で(Bling)
ここは、Creepy Nutsを理解する上で最重要パート。
R-指定がラップを始めたのは中学生時代。 「中学〇年生」と名乗る由来もここにあります。
14歳で感じた衝動を、 22年間ずっと燃料にし続けている。
「食えない時期 → フリースタイルダンジョンでブレイク → 世界的ヒット」 という物語は、漫画のようです。
漫画のプロットならボツなってる
あまりにもベタ過ぎて
しかし、これはベタではなく“リアル”。
夢を諦めなかった者だけが発言できる重みがあります。
✍️ 4. ディスにも戦いにも支配されない──「強いから争わない」境地
俺できればビーフはやりたくねー
ボクサー一般人殴らへん
フリースタイルの帝王だったR-指定が「ビーフを好まない」と断言する。 これは“平和主義”ではなく、 もうその次元にいない強者の言葉です。
お前より俺を上手く dis れる
ゴーストライターやったろか 無料で
これは圧倒的なスキルがあるからこそ言えるセリフ。
相手を傷つけず、笑いで受け流す。 この余裕こそ、人気を失わない秘訣です。
🌍 5. “外弁慶”で世界へ──変わらないノリのままグローバル展開
台湾から次 LA
Korea から NY へ
彼らの国際展開は、決して“海外で売れたい”ではありません。
“自分たちのノリのまま世界へ出ていく”。
これがCreepy Nuts最大の魅力。
日本のアーティストは“英語化”“国際化”を意識しがちですが、 彼らはあくまで中学生ノリのまま。
だからこそ世界に刺さっています。
経験値とマイルが貯まってく
次はお前の国へ
まるでRPGのように“経験値”を積む。 この比喩も、少年性を貫く彼ららしさです。
🧱 6. 中学22年生の「痛み」と「覚悟」──茨道と有刺鉄線
徹底的外弁慶
井の中を飛び出して
茨道 有刺鉄線
中学22年生
ここは“成功の裏側”を象徴するブロック。
海外で結果を出すには、 文化の壁、言語の壁、偏見、批判など、 多くの棘がある。
しかし、彼らはそこに踏み込む覚悟がある。
「外弁慶」は、外で強いのではなく、 “外で戦わざるを得ないほど日本でやり切った” という意味にも読めます。
そして「中学22年生」というタイトルと結びつく。
少年のまま、覚悟だけは大人になる。
🎡 7. ラストのUSJが象徴する“等身大の日常”の尊さ
New Verse をこしらえて(自画像)
週末は USJ 行こうぜ
中学22年生
華々しい成功の裏で大切にしているのは、 “普通の人と変わらない日常”。
USJへ行く、 遊ぶ、 笑う、 ふざける。
そのすべてがCreepy Nutsそのもの。
「新曲=自画像」という言葉が、 彼らが音楽と人生を「同じもの」として捉えている証拠です。
成功しても等身大のまま。 それがCreepy Nutsの揺るぎないスタンス。
🎤 まとめ|“変わらないまま進化する”という最強の生き方
Creepy Nuts「中学22年生」は、 ラッパーでもあり、表現者でもあり、“永遠の中学生”でもある彼らの 自画像ラップの完成形です。
売れても変わらない。 世界に出ても中学ノリのまま。 成功しても少年性を失わない。
それは「幼稚」ではなく、 衝動と好奇心を失わない成熟です。
14歳でラップを始めた少年が、 20年後に世界で聴かれるアーティストになった。
この物語の尊さを、 軽やかで笑える言葉でまとめあげる—— それがCreepy Nutsの唯一無二の魅力です。
🔗 関連記事
- 【歌詞解説】Creepy Nuts「ちゅだい」|現代社会を笑い飛ばすカオスの風刺ソング
- 【歌詞解説】Creepy Nuts「土産話」|下積みを笑いに変えるストーリー
- 【歌詞比較】Creepy Nuts「中学12年生」と「中学22年生」
📝 引用について
本記事は Creepy Nuts『中学22年生』(Sony Music Labels, 2024年)の歌詞を参考に構成されています。
歌詞・音源の著作権はアーティストおよび関係各社に帰属します。

