Creepy Nutsの「中学22年生」は、R-指定が自らのキャリアと成功を半ば自虐的に、半ば誇らしげに描いた楽曲。
単なる自伝的ラップではなく、全編に渡って綿密に計算された韻構造と語感の遊びが仕込まれています。
この記事では、曲のテーマとリンクした韻の設計を丁寧に分解していきます。
🎯 冒頭から畳みかける英語×日本語ライム
No Cap 髪振り乱して
ノーマークから大本命
No Fap とか未だに無理やけど
女には困って無い all day
- No Cap/No Fap:英語スラング同士で完全韻
- 「大本命/all day」も母音「o e i」近似で緩く踏んでいる
- 英語と日本語を織り交ぜ、語感のリズムを優先した現代的なフロー
🪶 女神と弁才天──意味と韻の二重構造
こんなにも湿らして(どしたん?)
はべらしてる弁才天(ハーレム)
HIPHOPの女神に嫌われても
俺、RAPの女神に愛されてる
- 「湿らして/はべらして」:動詞活用を揃えた脚韻
- 「弁才天/女神」:意味的には神格の並列で統一感
- 同一リズムに神話・宗教モチーフを乗せることで、韻とテーマの融合が際立つ
📚 学業と音楽の対比ライム
オンギャーと生まれまして
教科書は捨て去って
音楽の成績1やけど
ビルボードで1位を獲る人生
- 「まして/去って」:母音「a e」で半韻
- 「1やけど/人生」では韻は薄くなるが、内容のコントラスト(落ちこぼれ→成功)が際立ち、リズムを崩さずに物語を前進
💰 数字と生活感を乗せた脚韻
奨学金は借金で
住宅ローンは35年(実家!)
一括でpayしてやったぜ
中学22年生
- 「借金で/年」:母音「e」で統一感
- 数字(35年)や英単語(pay)を混ぜ、生活感とヒップホップ的自慢を同居させる
⏳ 時系列と韻をリンクさせる
14歳のハローワーク yeah
10年後に食え出して(ダンジョン)
20年後に世界中で(Bling)
聴かれてるコレマジで
- 「ダンジョン/マジで」:韻としては緩いが、“14歳→10年後→20年後”という時間軸がリズムの役割を担う
- 「Bling」など短い英単語を差し込み、テンポの加速感を演出
🥊 ビーフ拒否のパンチライン
公開処刑されたって
返り討ちにしちゃうけど
俺できればビーフはやりたくねー
ボクサー一般人殴らへん
- 「返り討ち/やりたくねー」:直接的韻はないが、意味の因果と口語のテンポでつなぐ
- 「ボクサー〜殴らへん」は比喩で落としつつ、リズムも崩れない
🌏 ワールドワイドな地名ライム
台湾から次LA
KoreaからNYへ
経験値とマイルが貯まってく
次はお前の国へ
- 「LA/へ」「NYへ/国へ」:方向を示す助詞で平易な韻
- 世界各地の固有名詞で視覚的イメージと語感の両方を強化
🛡 曲の象徴「中学22年生」の配置
徹底的外弁慶
井の中を飛び出して
茨道有刺鉄線
中学22年生
- 「外弁慶/有刺鉄線」:母音「e i」一致で硬質な響き
- 最後にタイトルワードを落とし、ストーリーを韻で締める構造
🔚 総評:「中学22年生」は韻で紡ぐキャリア年表
この曲は、
- 英語と日本語のミックスライム
- 固有名詞・数字・生活用語を交えた多彩な脚韻
- 意味の並列や時間軸と韻をリンクさせる構造
といった技法で、ベタな成功物語を韻の力で新鮮に聴かせる構成になっています。
R-指定の持つ物語性×韻設計力の高さが、最もストレートに出た一曲といえるでしょう。
🎤 あなたなら「〇〇年生」として何を韻にしますか?
コメント欄でぜひアイデアを聞かせてください!
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