【韻解説】Creepy Nuts「Lazy Boy」|怠け者から多忙を駆け抜けるMCへ

「Lazy Boy」は、Creepy Nutsの多忙な日常と過去の自分を対比させた楽曲。
かつて引きこもりも苦にしない“怠け者”だった主人公が、今や全国を飛び回る生活に。
リズミカルな韻と語呂遊びで、多忙とユーモアを同時に描くのが特徴です。


🎯 1. 冒頭の引用・英語リズム

夢にまで見たイカしたHard Day’s Night
こりゃどうもしゃあない今日もまた眠れない

  • 「Hard Day’s Night」はビートルズの楽曲タイトル引用。
  • 「しゃあない/眠れない」で**母音[ai]**の脚韻を形成。
  • 邦楽的リズムに英語フレーズを挟み込み、耳を引くオープニング。

🎯 2. “wait a minute”の反復フック

wait a minute 3分だけ時間を下さい…
wait a minute 3分だけ時間をくれ!

  • 英語→日本語の繰り返しでテンポ変化。
  • **「minute/くれ」**は直接韻ではないが、アクセントの強弱でフレーズにフック感を与えている。
  • この“時間をくれ”というモチーフは後半の「time’s up!」でオチとして回収される。

🎯 3. “B”の多義語&頭韻

I’m still B-boy badじゃなくbreakのB
(ヘッドスピン)この頭の回転で…

  • 「B-boy」「bad」「break」のB音頭韻を連発。
  • “bad”は悪いではなく「breakのB」と意味をひねっている。
  • ダブルミーニング+ブレイクダンスのイメージが重なり、言葉の回転と頭の回転がリンク。

🎯 4. “mind on my money”の逆転構造

mind on my money money on my mind
てな訳ではないからありのまま

  • 海外ヒップホップの常套句を引用しつつ「ではない」と反転。
  • 自分は金目的ではなく**“歌詞の中身”**を重視するという自己定義。
  • 引用→否定の構造で、価値観の違いを際立たせている。

🎯 5. 内部韻と早口展開

Creepyの歌詞 U.C.の歌詞 それとも溜まってる客演の歌詞
休みの日も休みじゃないこれ以上出来ない先延ばし

  • 「歌詞/歌詞/歌詞」で連続脚韻を作りつつ、
  • 「先延ばし」で母音[i]から[i]→[i]→[i]→[i]という韻流れを維持。
  • 単語の繰り返しで多忙感を強調。

🎯 6. “Lazy Boy”のコントラスト構造

でも本当はLazy Boy Lazy Boy
昔からLazy Boyナマケモノなの

  • 「Lazy Boy」の繰り返しは単なる呼びかけでなく、過去と現在のギャップを示すリフレイン。
  • 続く「Studio Studio」「Radio TVshow Video」では英単語並列で疾走感を演出。

🎯 7. 地名&メディア羅列の畳み掛け

また六本木→スペシャ→アベマ→
汐留→赤坂→お台場→…

  • 地名や媒体を高速で列挙し、多忙スケジュールの目まぐるしさを直接的に表現。
  • ここでは韻よりもリズム的繰り返し(〜→〜→〜)が重要。

🎯 8. 過去回想パートの音韻

ニートしてた3年半
思い返せば他力本願で…

  • 「3年半/本願」で母音[aoa~]が似た響きを持ち、
  • ゆるい脚韻で過去パートの語りを柔らかくつなぐ。

🎯 9. オチの“time’s up!”

wait a minute 3分だけ時間をくれ…
time’s up!

  • 冒頭のモチーフをラストで回収。
  • 音楽的にはBPMのテンション維持、物語的には**“多忙すぎて時間切れ”**という自虐的ユーモア。

📝 総評

「Lazy Boy」は、英語フレーズの引用・否定・反復を使って、怠惰な過去と多忙な現在をユーモラスかつ疾走感のある韻で描いた楽曲。

  • B音頭韻・母音脚韻・地名列挙でリズムを作り、
  • モチーフ回収で曲全体の構造を完成させている。

過去の自分と今の自分のギャップを、リズムの中で笑い飛ばす構成は、まさにCreepy Nutsらしい“日常×ラップ”の真骨頂。

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