Creepy Nuts「mirage」歌詞解説|触れた瞬間に消える“幻”のような夜

Creepy Nutsの楽曲「mirage」は、理性と欲望、現実と幻想のはざまで揺れる“大人”の葛藤を描いた1曲です。
家庭や日常の重みを背負いながらも、抗い難い夜の魅力に惹かれてしまう——そんな“夜の罪”を、艶やかに、どこかユーモラスに描いています。


🌃 雨に霞むmidnight、明滅する“未練”

明かりの灯った midnight
エゴと欲と未練が行き交う
雨にぼやけた視界
ネオンがなぞる濡れた輪郭

視界がぼやけるほどの雨、ネオンの灯り、交差する“エゴと未練”。
夜の始まりにふさわしい退廃的な風景と、心の奥に眠る欲望が静かに目を覚まします。


🫥 “幻”に手を伸ばした瞬間、現れる後悔

呆れた顔で goodnight
追いつけたと思えば mirage
あの日のままで触れたい
とっくに脱ぎ捨ててた品格

“あの日”のままに触れようとしたその瞬間、幻のようにすり抜けていく存在。
触れたかったのは本当に“相手”なのか、それとも過去の自分だったのか。


🧾 夜の逢瀬と生活のはざまにいる“パパ”

ちょっと待ってや、huh
俺にゃ家庭があって生活があってやな
放っとかんて、uh-huh

リアルな家庭の描写が差し込まれることで、楽曲の重みが増します。
“またやってしまった”という諦念と、繰り返してしまう業のような感情。


🧛 夜の魔物と化す“理性の崩壊”

血が昇ったら始まっちゃう
共食いしてる chupacabra
日が昇ったら灰になっちゃう
棺桶にフタして Dracula

夜の衝動を“怪物”にたとえ、ユーモラスに自嘲気味に描くR-指定のリリック。
夜が明ければすべてはなかったことになる。だが、それでもまた夜に帰ってきてしまう。


✒️ ペンを突き立て、現実へ戻るラスト

そしてまた お前の中
ペンを突き立てる柔肌
戻るただ 平凡なパパ
隠す首筋の⻭形

背徳の夜が終わり、男は“パパ”としての生活に戻る。
だが、夜の記憶は身体に刻まれたまま。
この対比こそが「mirage」の核心であり、美しさでもあります。


🎤 総括|“幻”と知りながら、また夜に誘われる

「mirage」は、ただの浮気や背徳を描いた曲ではありません。
誰もが抱える“別の顔”を、幻想的でスリリングな夜の情景に重ねることで、
“今夜もどこかで起こっているかもしれない物語”として昇華させています。

まさに“Creepy Nutsにしか描けない夜”。


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