【歌詞徹底解説】Creepy Nuts「ちゅだい」|欲望、快楽、そして現代人の“ちゅうだい”を描く不道徳アンセム

Creepy Nutsの楽曲「ちゅだい」は、ふざけたようなサビとポップなサウンドでありながら、現代社会の欲望と混沌を鋭く風刺した一曲です。

タイトルの「ちゅだい」は、“重大”と“中毒”と“ちゅー”が混じったような擬音語。
リズミカルに連呼される「ちゅでいちゅでいちゅーでい」が耳に残りつつ、その裏には性欲・依存・金・SNS・孤独・都市の猥雑さといった現代的テーマが濃厚に詰め込まれています。

この記事では、そんな「ちゅだい」のリリックを一行ずつ丁寧に解説し、Creepy Nutsらしい笑いと狂気のバランス感覚を読み解いていきます。


🎧 1. 「ちゅでいちゅでいちゅーでい」=欲望の波長が“勝手に合う”関係

ちゅでいちゅでいちゅーでい
勝手に合ってまうチューニング

このサビの冒頭で繰り返されるフレーズは、“相性が合いすぎる”ことへの皮肉混じりの表現。
言葉にならないほどに感覚的・性的に波長が合ってしまう相手との関係を、擬音的にユーモラスに描いています。

「チューニング」という言葉選びにも、音楽的なリズム感と本能的な一致の両方が重ねられています。


🚧 2. SKBとゾーニング=理性 vs. 本能の境界線

日常に紛れるSKBに注意
しっかり線引き頼むでゾーニング

  • 「SKB」は“スケベ”の略。
  • 「ゾーニング」は、本来は“区域分け”の意味ですが、ここでは欲望と社会生活との線引きを指しています。

つまり、**日常の中に潜むスケベ(誘惑)に惑わされず、理性でゾーニングしろよ!**というCreepy Nutsらしい皮肉と警告です。


🔞 3. 現代の欲望のインフラたち:FANZA、P-hub、PPV…

FANZAプレミアム会員
1000mgじゃ足りないたうりん
P-hub善治カミン

現代人の性欲消費と依存を表すキーワードがずらり。

  • FANZA:日本最大級のアダルト配信サイト
  • P-hub(Pornhub):世界的なアダルト動画サイト
  • PPV:Pay Per View(都度課金制)

これらを連ねながら、「たうりん(タウリン)1000mg」=栄養ドリンクのように、性欲や快楽で元気を補充する様子を滑稽に描いています。


💸 4. 「PPVは7桁」「口座は8から9」=カネと快楽のインフレ

PPVは7桁の数字
口座は8から9に

このラインでは、快楽に使われる金額と、それに伴う金銭感覚の崩壊がテーマ。

  • 「PPVは7桁」=100万円クラスの課金?という誇張と皮肉
  • 「口座は8から9に」=口座残高が1桁増加(1,000万円→1億円レベル)という、快楽と経済の暴走

現代社会における「消費することでしか欲を満たせない構造」への痛烈な風刺です。


🌍 5. 「47から196人 はべらす世界の神」=ローカルからグローバルへ

47から196人
はべらす世界の神

このラインの解釈:

  • 47=日本の都道府県
  • 196=世界の国数(概算)
  • 「はべらす」=侍らせる、従わせる、魅了する

つまり、「日本から世界まで、自分の快楽や魅力で制圧している存在=“神”」という誇張表現。
ラッパー的な自己拡張の誇りと、笑える妄想が混ざったCreepy Nutsらしいラインです。


🍜 6. 二郎 → バルト9 → 歌舞伎町:深夜の東京ドキュメント

新宿バルトの9
その前に二郎に並んで待機
三角座りで泣いてるべっぴん

ここでは、新宿という猥雑でエモい都市空間の中で、人々が何かしらの“ちゅだい”を抱えて生きている様子が描かれます。

  • 泣いてる美女(べっぴん)
  • 歌舞伎町の住人
  • 伝票で争う女性たち

欲望と痛みが交錯するリアルな夜の風景。それを笑って飲み込むことこそが「ちゅだい」の精神です。


🔫 7. ムスメを泣かせたら、即リーアム・ニーソン化

ムスメを泣かした場合
リーアム・ニーソンに速攻で変身
96時間で皆殺し

映画『96時間』をモチーフに、娘を守る父親像を極端に誇張。
性的な混沌の中にも、「親としての一線」はあり、そこを越えたら全員ぶっ飛ばす、という激しい感情のスイッチを描いています。


🐒 8. 「人のちゅだいを笑うな」=本能と笑って共存せよ

人のちゅだいを笑うなっちゅうに
アニマルに戻る俺らの装備

ここが曲の核心。

  • 「ちゅだい」=重大(問題)+中毒(依存)+ちゅー(性的欲求)
  • 誰もが何かしらの“ちゅだい”を持っている
  • それを笑ってはいけない
  • 結局、俺らも「アニマル(本能)」に戻ってしまう存在

すべてを笑いに昇華することで、Creepy Nutsは“生きづらさ”を肯定するのです。


✅ まとめ|『ちゅだい』は“本能”と“社会”を越境するエンタメ寓話

Creepy Nutsの「ちゅだい」は、

  • 欲望を暴走させた笑えるラブソング
  • 消費社会と快楽主義の風刺
  • そして、自分を許すための自己肯定歌

という3層の意味を持つ、極めて現代的で、極めて笑える哲学的トラックです。

「ちゅでいちゅでいちゅーでい」と口ずさみながら、自分の中の“ちゅだい”と向き合ってみてはどうでしょうか。

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