【韻解説】Creepy Nuts「Japanese」|ステレオタイプを逆手に取るユーモアと多層的ライミング

Creepy Nutsの「Japanese」は、海外でイメージされがちな“日本人像”を逆手にとり、笑いと鋭いライミングで切り込むトラックです。
英語と日本語を自在に行き来しながら、多彩な固有名詞と文化的参照を織り込み、ラップとしてのグルーヴとメッセージ性を両立しています。


🎯 主な韻の特徴

1. サビの反復とクロスランゲージ韻

No samurai, no ninja, no harakiri
But I’m Japanese
No karate, no sensei, no kawaii
But I’m Japanese

  • 「samurai / ninja / harakiri」「karate / sensei / kawaii」といった語末母音・子音のそろえで、耳に残るキャッチーな韻。
  • 各行の最後を “Japanese” で固定し、反復によるリズム的フックを形成。

2. 意図的なステレオタイプ崩しと韻

No geisha, gold chain 無い 超ヘンタイ
Yes, I’m Japanese
超危ない 食う白米 flow kamikaze

  • 「ヘンタイ / Japanese / kamikaze」という**[ai] / [iːz] / [zi]音**の連鎖。
  • 外国人が抱く日本の誤解を羅列→否定→別の日本的要素(白米、神風)で置き換える構造。

3. 高速列挙+短母音韻

No 刀 no 手裏剣 no ヌンチャク no 弓矢 興味ない
No 火縄 no gunshot, no violence, no nuclear, no homicide

  • 「nai / -ide / -ide」など、短母音の連打で加速感を演出。
  • 日本語と英語の否定形を交互に出すことで、フロウの切れ味が際立つ。

4. ポップカルチャーと固有名詞ライム

No Mr.Miyagi
No mercy
Cobra Kai never dies 脳汁マシマシ 超合気

  • 「Miyagi / mercy / kai / ai / Aiki」の母音リンク。
  • 映画『ベスト・キッド』や『コブラ会』など海外ポップカルチャーを即興的に引用。

5. 文化ミックスと意外性のパンチライン

Yes Godzilla, yes Gamera, yes ピッピ力 かめはめ波

  • 「Godzilla / Gamera / Kamehameha」をリズム優先で配置。
  • 日本発カルチャーを意図的に英語化/カタカナ化し、耳に残る音塊に変換。

6. 地名・人名の多層韻

歩道橋から広がる輪っか UC コンチネンタル Osaka
相方は from 新潟 Nakamura じゃない Matsunaga

  • 「Osaka / Matsunaga」の母音[a]揃え。
  • 海外映画の舞台(コンチネンタル=ジョン・ウィック)と地元要素を一行に融合。

🧩 ライム構造の総評

  • 反復型フック列挙型ライムで耳に残る構成。
  • 固有名詞・文化参照を大量投入しながらも、韻の母音・子音設計が崩れない。
  • 英語と日本語を半々以上でミックスすることで、海外リスナーにも直感的に響く構造。

🎵 まとめ

「Japanese」は、R-指定のユーモアセンスと技術が結晶した楽曲です。
ステレオタイプを逆手に取った歌詞運びと、英日を跨ぐ韻構築は、国境を越えて通じるラップ表現の好例と言えるでしょう。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA