【韻解説】Creepy Nuts「土産話」|笑えるほど“できすぎた”実話を積み上げた軌跡

Creepy Nutsの「土産話」は、結成初期から現在までの軌跡を、まるで旅先の戦利品を並べるように描いた曲です。リリックは思い出話でありながら、各所に韻とフローが仕掛けられ、過去と現在をつなぐ物語性を強化しています。


🎯 テーマ

  • 下積み時代からメジャーシーンまでの道のり
  • 挫折や無名時代のエピソードが“土産話”として昇華
  • “作り話にしちゃ出来すぎてる”ほどの偶然と必然の連続

🧠 韻の特徴

1. 会話調 × ナチュラルライム

冒頭から相方との会話形式で始まり、地名・固有名詞・日常的な語彙を自然に韻へ落とし込んでいます。
例:

「ゲーセンの前で真夜中」
「上板のワンルーム大晦日」

  • 真夜中/大晦日 は母音[a o a]/[o i a]で響きを合わせ、口語感を保ちながらリズムを作る。

2. 地名・固有名詞ライム

R-指定お得意の“地名+体験”の組み合わせで韻を構築。固有名詞は情景を鮮明にし、ストーリーの信憑性を増します。
例:

  • 「泉が丘長岡 state of mind」
  • 「zepp tokyo 新木場コースト」
  • 母音と子音のリズム感に加え、地名→地名の並置でテンポをキープ。

3. リフレインによる物語補強

サビで繰り返される:

「イカれた土産話が溢れ出る山のように」

このフレーズは韻的には[話が/山の]で緩やかな母音合わせをしつつ、物語全体のテーマを回収する役割を持ちます。


4. 韻の中での時系列変化

過去(ゲーセン、夜行バス、路上パフォーマンス)から現在(Zepp Tokyo、フェスのトリ前出演)へのシーン転換が、韻の連鎖でスムーズにつながっているのも特徴です。
例:

  • 「吹き抜けからお題もらったショッピングモール」
  • 「沈む覚悟で乗り込んだフリースタイルダンジョン」

語尾の“モール/ダンジョン”の音の流れを維持して次の場面へ移行。


🎵 注目の韻パターン

フレーズ音の共通点技法
真夜中/大晦日a-o-a/o-i-a日常語韻
state of mind/展示場ai-n-d/o-u意味連結+母音ライム
zepp tokyo/新木場コーストo-o/o-o固有名詞の母音繰り返し
山のように/storyo-o-i/o-o-i意味の反復+母音一致

💡 まとめ

「土産話」は単なる思い出語りではなく、韻を骨組みにした自伝的ストーリー。会話調・地名韻・固有名詞の配置により、過去と現在の距離感を埋めながらリスナーを物語に引き込みます。ラッパーとしての道のりを振り返りつつ、“まだ先がある”という余白を残す構成も秀逸です。

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