Creepy Nutsの「オトノケ」は、命の淵から這い上がり、音楽とともに再び羽ばたこうとする“魂の回復”を描いた壮絶な一曲です。
ホラーとユーモアを織り交ぜたリリックの裏には、Creepy Nutsらしい鋭いメッセージと生への執念が込められています。
👻 黄泉と現世をつなぐ、リリカルワンダーランド
冒頭はまるで地獄の入口。
諦めの悪い輩
アンタらなんかじゃ束なっても敵わん
といった挑戦的なフレーズに始まり、
貞ちゃん伽椰ちゃんわんさか黄泉の国wonderland
というホラーキャラクターの名前を織り込んだパートは、死と恐怖、狂気の世界を暗示します。
呼ぶ声がしたんなら 文字通りお憑かれさまやん…
“お憑かれさま”という言葉遊びに、Creepy Nutsらしいユーモアと皮肉が光ります。
🕊 苦しみを超えた先で、羽ばたきが始まる
ハイレタハイレタハイレタハイレタハイレタ
必死で這い出た先で霧は晴れた
ここは、暗闇の中から抜け出し、生還を果たした瞬間を表しています。
ココロカラダアタマ
みなぎってゆく何だか
背中に今羽が生えたならば
暗闇からおさらば
心・身体・頭が一体となり、再び飛び立とうとする姿。
“羽が生える”という表現は、再生と自由の象徴です。
🎤 音楽が魂に宿る “オトノケ”
何度だって生きる
お前や君の中
瞼の裏や耳の中
胸の奥に居着いてるメロディー、リズムに
“音の気配=オトノケ”が、聴き手の中で生き続けるというメッセージがここに現れます。
音楽が記憶や感情と深く結びつき、魂の奥に居座る“存在”となっていく様を描いています。
🔥 賽の河原とチャンバラ、魂のバトル
今日も賽の河原ど真ん中
積み上げてくtop of top
“賽の河原”は、死者が石を積む仏教的モチーフ。
それを“top of top”へ積み上げるという逆説的なフレーズは、どれだけ地獄のような状況でも道を切り開こうとする意思の現れです。
the lyrical chainsaw massacre
リリックで戦う“言葉の殺戮劇”。
R-指定のマイクスキルがここでも鮮烈に光ります。
📝 まとめ|闇の中から、音とともに蘇る
「オトノケ」は、
死地のような日常を越えて、音楽という力で再び“生き直す”ことを描いた歌。
Creepy Nutsらしい皮肉や笑いを織り交ぜながら、
本気で命と向き合い、“暗闇からの脱出”を音楽で表現しています。
まるでホラー映画の中を突き進むような緊張感、
そして最後に訪れる静かな救済。
この曲は、聴くたびに新たな“生”を感じさせてくれる1曲です。
🔖 引用
本記事はCreepy Nuts「オトノケ」(Sony Music Labels, 2024年)の歌詞をもとに構成した非公式の解釈記事です。
歌詞・音源の著作権はアーティストおよび関係各社に帰属します。
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