Creepy Nutsの「オトノケ」は、怪談・黄泉・賽の河原といった死生観をモチーフに、
人の記憶や感情に刻まれる“音”の力を描く楽曲です。
言葉選びはホラー要素を含みつつも、韻とリズムによって高揚感へと変換されています。
🎤 1. 冒頭から畳みかける多音韻
諦めの悪い輩 / アンタらなんかじゃ束なっても敵わん
くわばらくわばらくわばら目にも止まらん速さ
くたばらん黙らん下がらん押し通す我儘
- 「〜らん」音で統一し、4〜5連続の脚韻を構築。
- 否定形を連打することで、不屈さと執念を表現。
- 発音の弾みが連打のリズムを生み、耳に残るイントロを形成。
🎤 2. ホラー用語と数韻のコンビネーション
貞ちゃん伽椰ちゃんわんさか黄泉の国wonderland
御祈祷中に何だが4時44分まわったら
四尺四寸四分様がカミナッチャbang around
- 「4時44分/四尺四寸四分」と数字の音を繰り返すことで、不気味さと語感の面白さを両立。
- 固有名詞(貞子・伽椰子)+英単語(wonderland)の組み合わせで、音の高低差を演出。
🎤 3. サビの三連構造と母音揃え
ココロカラダアタマ / みなぎってゆく何だか
背中に今羽が生えたならば / 暗闇からおさらば
- 「ココロ/カラダ/アタマ」と母音「あ」で揃えた三連。
- 「ならば/おさらば」で踏む軽快な脚韻が、飛翔するイメージを補強。
- メロディとシンクロした母音揃えが、歌としての覚えやすさに直結。
🎤 4. 二番のスピード感ある固有名詞ラッシュ
賽の河原 / top of top / 鬼とチャンバラ / the lyrical chainsaw massacre
- 日本的な宗教・地獄モチーフ(賽の河原、鬼)と洋画的ホラー表現(chainsaw massacre)を交互に配置。
- 異ジャンルをつなげることで、世界観が広く・深くなると同時に、韻の音感も変化し飽きさせない。
🎤 5. 対立構造を解消する韻
盾と矛が肩を抱き合ったら / 怒りが消え去ったら
- 「盾と矛」という矛盾する要素を並べ、語尾「あったら」で踏む。
- 対立が解消される瞬間を韻の着地で強調する、意味と音の両面設計。
🎤 6. 擬音+反復の呪文的リズム
ダンダダンダンダダンダンダダンダンダダン
- 曲頭・中盤・終盤に配置される定型リズム。
- ドラムのキックパターンとシンクロし、呪文や太鼓のような反復効果を発揮。
- 物語の「生死の境界を往復する感覚」を音で体感させる役割を担う。
✍️ まとめ
「オトノケ」は、死の世界をモチーフにしつつ、韻・反復・固有名詞の連打で高揚感を生む独自の構造を持っています。
数字韻・固有名詞ミックス・母音揃えのサビといった手法が、恐怖と爽快感を同時に喚起。
聴き手の耳に“音の残り香(オトノケ)”を残す、まさにタイトル通りの一曲です。
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