🎧 発売日: 2024年9月13日
💿 収録アルバム: あにゅー
🎬 テーマ: 生と死・喪失・日常の変化
- 🎤 イントロダクション|「筆舌」は“老いと喪失”を描いた、野田洋次郎の人生詩
- 🕰️ 1. 「生きてりゃ色々あるよな」──繰り返しの中にある共感の詩
- 🍶 2. 変わりゆく日常──“当たり前”の崩壊
- 💸 3. 「なけなしの5000円」──時間が返してくれないもの
- 💉 4. 病と死の影──“夏場は嫌だな”のリアルさ
- 👶 5. 「ずっと」「絶対」が崩れた後の、祈りのような願い
- 🎸 6. 喪失と継承──「君はいないのに いなくなんない」
- 🪦 7. 「店長は自殺だったこと」──語りの最終章
- 📚 「筆舌」という言葉の意味とタイトルの由来
- 🪞 「筆舌」に込められたメッセージを読み解く
- 🎵 「筆舌」が描くリアルな時代背景
- 💡 「筆舌」が伝える“生きていく勇気”
- 📖 「筆舌」は、“生きることの記録”である
- 🎶 まとめ|「生きてりゃ色々ある」を、こんなに優しく歌える人はいない
🎤 イントロダクション|「筆舌」は“老いと喪失”を描いた、野田洋次郎の人生詩
RADWIMPS「筆舌」は、誰の人生にも訪れる「変化」「喪失」「老い」を、淡々と、しかし痛烈に描いた楽曲です。
タイトルの“筆舌”とは、「筆舌に尽くしがたい」という言葉の通り、言葉では表せないほどの感情を意味します。
この曲は、野田洋次郎が40歳を迎える中で見つめた“生のリアル”。
激しさではなく、静かな諦念と慈しみで“生きてりゃ色々ある”を語る、極めて人間的な一曲です。
🕰️ 1. 「生きてりゃ色々あるよな」──繰り返しの中にある共感の詩
生きてりゃ 色々あるよな
生きてりゃ 色々あるよなぁ そりゃそうだよなぁ
そりゃそういうもんだな
このフレーズが、曲全体の中心に何度も繰り返されます。
悲しい出来事、失われていく日常、すれ違い、喪失――
それらを美化せず、「そういうもんだ」と受け入れる語り口が印象的です。
この“肯定とも諦めとも言えない感情”こそ、RADWIMPSが年齢を重ねた今だからこそ描ける境地です。
🍶 2. 変わりゆく日常──“当たり前”の崩壊
電話帳の中の人が少しずつ死んでいったり
行きつけの居酒屋は潰れ変な店に変わったりあんなに好きだった人が結婚して子供も産まれたり
その後シングルマザーになり久しぶりに連絡がきたり
ここで描かれるのは、何気ない日常の変化。
友人の死、行きつけの店の閉店、恋人の結婚――。
どれも特別な事件ではないけれど、「生きてりゃ色々ある」ことの象徴です。
この現実的すぎる日常描写が、逆にリスナーに強烈なリアリティを与えます。
💸 3. 「なけなしの5000円」──時間が返してくれないもの
ATMまで行って金貸した脚本家の彼は今や売れっ子だけど
あの時のなけなしの5000円はまだ返ってきてなかったり
些細なエピソードのようでいて、ここに込められたテーマは「時間の不可逆性」です。
お金ではなく、過ぎ去った関係性そのものが戻らないという現実。
人生の“差”や“結果”を淡々と受け止める筆致に、野田洋次郎の成熟がにじみます。
💉 4. 病と死の影──“夏場は嫌だな”のリアルさ
ダチの腹に癌が見つかりなんかヤケに食らったり
いつ死んでもいいとか言ってた俺も検査に行ってみたり一人ぼっちで死ぬ可能性が現実味を帯びて
人知れずぽつんと死ぬなら夏場は嫌だななんて思ったり
死を恐れながらも、それをどこかユーモアで包む。
「夏場は嫌だな」という何気ない一言に、人間の“死生観”のリアルが凝縮されています。
まるで日記のような淡々さが、逆に胸を締めつける瞬間です。
👶 5. 「ずっと」「絶対」が崩れた後の、祈りのような願い
「ずっと」とか「絶対」とか「一生」とかないのはもうわかったから
せめてもう少しだけこのままで ねぇこのままでいさせて
愛も友情も、いつかは変わる。
その儚さを受け入れながらも、“今だけは”続いてほしいという願いが切なく響きます。
若い頃の永遠信仰から脱皮し、今を大切にする成熟した愛の形が描かれています。
🎸 6. 喪失と継承──「君はいないのに いなくなんない」
君はいないのに 全然いなくなんないのは ねぇなんでなんだろう
この一行で、すべてが報われます。
“死”や“別れ”があっても、記憶や感情の中では生き続けている。
それが人間の「繋がり」であり、「生きること」なのだと示しています。
🪦 7. 「店長は自殺だったこと」──語りの最終章
あの行きつけの店の店長は自殺だったこと
死ぬ3日前連絡があったけど 出られなかったこと
このラストは、あまりにも生々しい。
後悔と、受け止めるしかない現実。
ここにあるのは“救い”ではなく、生きていくしかないという誓いです。
繰り返される
生きてりゃ色々あるよな
のフレーズが、やがて祈りのように響きます。
📚 「筆舌」という言葉の意味とタイトルの由来
🖊️ 「筆舌に尽くしがたい」とは
「筆舌」とは、“筆(文字)にも舌(言葉)にも尽くせない”という意味。
つまり、言葉では表しきれないほどの感情や出来事を指します。
RADWIMPS「筆舌」というタイトルは、
「生きる」という行為そのものを、言葉にできないほど深く描く――
そんな覚悟を象徴しています。
💬 野田洋次郎にとっての「筆舌」
野田洋次郎はSNSでも「言葉にできないものを音にしたい」と語っており、
“筆舌”という言葉は、彼の創作信念そのものとも言えます。
過去作「正解」「スパークル」とは異なり、
“誰もが歳をとり、失っていく過程”をそのまま受け入れる姿勢が表れています。
🪞 「筆舌」に込められたメッセージを読み解く
🌱 生きることは、失うことと同義
この曲で描かれるのは、死別や喪失を悲劇としてではなく、人生の一部として受け入れる姿勢。
「生きてりゃ色々あるよな」というフレーズは、
“悲しみも含めて生きる”という成熟した生の哲学を示しています。
🕯️ “死”が近くなるほど増える“優しさ”
中盤に出てくる「夏場は嫌だな」という言葉には、
死を恐れるよりも、“生を選ぶためのユーモア”が滲んでいます。
この優しさこそ、今のRADWIMPSの本質。
それは、若い頃の絶望ではなく、経験を経た人間の希望なのです。
🎵 「筆舌」が描くリアルな時代背景
🕰️ 同世代が共感する“変化の速度”
歌詞の中には、
「居酒屋が潰れる」「好きだった人が子を持つ」など、
30代後半〜40代のリスナーが感じる“時の早さ”がリアルに描かれています。
これはSNS世代のスピードとは対照的な、“人間の時間”を取り戻す物語でもあります。
📺 「バンド仲間は辞めていたり」──音楽業界の現実も反映
あの頃バンドを始めた仲間はほぼ辞めていたり
今の流行は歌って踊ったりヒップホップが占めていたり
この一節では、野田洋次郎自身が見てきた音楽の移り変わりを描いています。
過去への郷愁ではなく、「それでも音楽を作り続けたい」という再宣言として響きます。
💡 「筆舌」が伝える“生きていく勇気”
💬 失っても、人は繋がり続ける
君はいないのに ずっとずっとここにいるのはねぇなんでなんだよ
このフレーズは、“死んでも人は消えない”という、
仏教的でもあり、人間的でもある真理を語ります。
「いないけど、いる」というパラドックスが、
この曲の核心であり、RADWIMPSらしい優しさです。
🔁 「生きてりゃ色々あるよな」の普遍性
ラストで何度も繰り返されるこの言葉は、
聞くたびに別の意味を帯びていきます。
最初は“慰め”として、次に“誓い”として、最後は“祈り”として――。
まるでリスナー一人ひとりの人生に寄り添うような構成になっています。
📖 「筆舌」は、“生きることの記録”である
RADWIMPS「筆舌」は、単なる楽曲ではなく、人生のドキュメント。
若い頃に描いた理想ではなく、
“現実と共に生きる”という強さがここにはあります。
「言葉では言い尽くせない」
──だからこそ、音楽で描く。
それが、今のRADWIMPSの姿です。
🎶 まとめ|「生きてりゃ色々ある」を、こんなに優しく歌える人はいない
RADWIMPS「筆舌」は、“生きること”を静かに肯定する人生賛歌。
死、喪失、老い、孤独――それらを並べながらも、「それでも生きよう」と語りかける優しさがあります。
これは「永遠」を信じた若きRADWIMPSの続きであり、
“現実を受け入れてもまだ生きる”という、新しい時代の希望の歌です。
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📝 引用
※本記事は RADWIMPS『筆舌』(2024, EMI Records Japan)の歌詞を参考に構成された解説記事です。
歌詞・音源の著作権はアーティストおよび関係各社に帰属します。

